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不動産投資の1棟目はこうして買った|不動産投資を始めるまでの実体験

不動産投資に興味はあるけれど、なかなか1棟目が買えない。良い物件を探し続けているうちに、気づけば何ヶ月も経っていた。そんな経験をお持ちの方は、少なくないと思います。

業者へのアタック方法がわからない、失敗が怖くて踏み出せない——私自身も、まったく同じ状況にいました。そこで今回は、実際に1棟目を購入するまでの経緯を、具体的な数字とともにお伝えします。

この記事でわかること

本記事では、私が実際に購入した埼玉県桶川市の一棟アパート(利回り11.5%)について、以下の3点をお伝えします。

  1. 購入に至るまでの経緯と判断の理由
  2. 実際の収支状況
  3. 今後の運用方針

不動産投資の1棟目をどう判断すべきか迷っている方にとって、参考になれば幸いです。

100点の物件を待つより、早く始めて70点の物件を買う方が、長期的にはプラスになると思います。

その理由を、実体験をもとに詳しくお伝えします。なお、不動産投資のリスクや注意点については、こちらの記事でまとめていますので、あわせてご覧ください。

物件スペック

まず、今回購入した物件の基本情報です。

項目内容
所在地埼玉県桶川市
築年数26年
間取り1K × 9世帯
表面利回り11.5%
融資期間15年
融資金利1.16%

表面利回り11.5%は、一棟アパートとして決して低くない水準です。ただし、融資期間が15年と短めであるため、返済比率は高くなっています。この点については、後の収支状況の項目で詳しく説明します。

購入経緯・理由

知識を蓄えるだけでは、物件は買えなかった

不動産投資を本格的に始めたのは2019年3月のことです。

当時は書籍を読んで知識を蓄えながら、楽待健美家などのポータルサイトで毎日物件を探していました。しかし、そう簡単には良い物件は見つかりません。そのため、時間だけが過ぎていく状況が続きました。

ポータルサイトに掲載される物件は、すでに多くの投資家の目に触れています。つまり、掲載された時点で競争率が高く、初心者が好条件で手に入れるのは難しいのが現実です。

そこで方針を転換し、ポータルサイトで気になる業者をリストアップして、直接メールを送ることにしました。

不動産業者50社にアタックした結果

実際にメールを送った業者数と、その後の結果は以下の通りです。

アクション件数
メールを送った業者数50社
個別面談してくれた業者数10社
本当に親身になってくれた業者数1社

10社と面談しても、ほとんどは一度情報を送ってきただけで終わるか、その後は音沙汰なしでした。資産も経験もない段階では、本気で相手にしてもらいにくいのが現実です。

一方で、数を当たり続けることで、1社だけ本当に親身になって動いてくれる業者さんと出会うことができました。そのため、最初から質にこだわるよりも、まずは量を確保することが重要だと実感しています。

自分に合う業者に出会える確率は非常に低いからこそ、数を当たることが大切です。

購入を決めた3つの理由

今回の物件を紹介してくれたのは、その唯一親身になってくれた業者さんでした。

マイソクを見た段階では、特別に欲しいと思えた物件ではありませんでした。それでも購入を決めた理由は、主に以下の3点です。

  1. 紹介してもらった融資先の申込み期限が迫っていた
  2. 収支計算すると、数字は悪くなかった
  3. 街の雰囲気・間取りに大きな問題がなかった

特に重要だったのは融資条件です。良い融資先との出会いは、良い物件との出会いと同じくらい重要です。このタイミングを逃すと、次の融資機会がいつ来るかわからないという判断もありました。

100点の物件を待ち続けることのリスク

完璧な物件を探し続けて何年も投資を始められないより、70点の物件を早めに購入する方が、トータルではプラスになると考えています。その理由は以下の通りです。

  1. キャッシュフローを早期に受け取り始められる
  2. ローン返済を着実に進められる
  3. 次の物件購入に向けた資金を作れる
  4. 実績・経験を積むことで、次の融資審査に有利になる

また、本当に条件の良い物件は、現金や資産を持っている投資家にすぐ買われてしまいます。したがって、初心者が「完璧な物件」を手に入れるのは、現実的にはほぼ不可能に近いと思った方がよいかもしれません。

なお、頭金をいくら入れるべきかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご参照ください。

ポートフォリオ全体で調整する発想

今回は返済期間が当初の20年から15年に短縮となり、返済比率が60%を超えることになりました。購入を迷った場面でもありました。

それでも最終的に購入を決めたのは、「この1棟だけではなく継続的に購入を進めていく計画があった」からです。つまり、ポートフォリオ全体でバランスを取ることを前提に考えれば、1棟目に多少の偏りがあっても問題ないという判断です。

1棟目の特徴2棟目で補完する方向性
利回り重視積算重視
地方物件都心物件
築古新築・築浅

このように、ポートフォリオ全体のバランスを取ることで、トータルで自分の投資戦略に合った形に近づけていくことができます。そのため、1棟目から完璧を求める必要はありません。

収支状況

購入後の毎月の収支は以下の通りです。

項目金額
毎月の賃料収入+326,000円
ローン返済額▲208,000円
管理手数料▲17,000円
毎月の手残り+101,000円

現在は満室経営を継続しています。一方で、固定資産税(年間95,000円)を月割りで考えると、2部屋空室が出てしまうと実質的な手残りはほぼトントンに近いのが実態です。

返済比率は高めですが、その分元本の返済スピードが速いのがこの物件の強みです。毎月着実に資産が積み上がっており、結果として運用は安定した状態を維持できています。

また、返済期間が15年と短いため、ローン完済後のキャッシュフローは大きく改善する見込みです。したがって、短期的なキャッシュフローの薄さを、長期的な資産形成の観点で補えると考えています。

キャッシュフローが薄くても、元本の積み上がりを資産形成として捉えれば、十分に意味のある投資だと考えています。

今後の運用方針

この物件の売却については、現時点ではまだ決めていません。現状では、長期保有しながら建物をしっかりメンテナンスしていく方針です。

その理由は主に以下の3点です。

  1. 元本返済が速いため、5年後(長期譲渡の基準)には売却益が出る可能性が高い
  2. 5年後には市場環境や自身の状況が変わっているはずなので、その時点で改めて判断する
  3. 満室経営を維持できている今は、売却する積極的な理由がない

なお、不動産の出口戦略を考えるうえでは、購入時点から売却を意識しておくことが重要です。具体的なリスク管理の考え方については、不動産投資のリスクと対策の記事も参考にしてみてください。

まとめ

この記事を通じて一番お伝えしたいことは、以下の一点です。

100点を待つより、70点で動いた方が、結果的に早く目標に近づけます。

行動しなければ、経験も実績もキャッシュフローも生まれません。もちろん、やみくもに動けばよいわけではなく、最低限の収支計算と信頼できる業者との関係づくりは欠かせません。

ただ、「完璧な物件が見つかったら買おう」と思い続けていると、1年後も同じ場所に立っている可能性が高いです。つまり、完璧を追い求めること自体が、最大のリスクになりえます。まずは行動することが、投資家としての第一歩になります。

是非ご参考にしてください!