お金の考え方

返済比率60%超えでも不動産投資できる?実例と黒字化のコツを解説

不動産投資の融資を受けると、必ず話題になるのが「返済比率」という数字。

実は私も、所有している2物件の返済比率がそれぞれ60.26%・55.93%と、いわゆる「危険ゾーン」に片足を突っ込んだ状態でスタートしました。

この記事では、そんな私の実体験をもとに返済比率の正しい見方と、高くても資産を着実に築ける理由を解説します。

読み終わる頃には「返済比率が高い=即アウト」じゃないことがわかって、自分の投資を冷静に評価できるようになると思います。

結論からいうと、返済比率が高くても、借入条件(金利・期間)が良ければ資産化は着実に進みます。大切なのは数字そのものより、その中身を読むことです。

返済比率とは?まず基本を確認しよう

返済比率とは、「年間家賃収入に対する、年間ローン返済額の割合」のことです。

不動産投資では、家賃収入からローン返済・管理費・修繕費・税金などを支払って、残った分が手取り(キャッシュフロー)になります。返済比率が高いほど、そのキャッシュフローが圧迫されるため、リスク指標として使われています。

📐 返済比率の計算式 (年間返済額 ÷ 年間家賃収入)× 100 = 返済比率(%) 一般的な目安:40〜50% が理想とされている

たとえば年間家賃収入が200万円で、年間返済額が120万円なら返済比率は60%。残り40%(80万円)から管理費・修繕費・税金などを払う計算です。

返済比率60%を超えると、急な修繕や空室が重なるとキャッシュアウトしやすくなります。

私の2物件、返済比率を公開します

まず私のリアルな数字をお見せします。

🏠 私の2物件 返済比率(実績) 📍 桶川市の物件(木造アパート) 返済比率 60.26% 融資期間:15年 金利:1.16% ⚡ 元金返済スピードが速い 📍 所沢市の物件(木造アパート) 返済比率 55.93% 融資期間:23年 金利:2.6% ⚡ 購入3か月でまだ安定期 2物件とも「要注意ゾーン」ではあるが、借入条件は異なる

正直に言うと……高いですよね。特に桶川は60%超えで、多くの書籍やブログで「危険ゾーン」と呼ばれる水準です。

では実際の収支はどうなっているのか、見てみましょう。

実際の収支はどうなっているか

返済比率60%超えの現実をそのまま公開します。まず桶川アパートから。

📊 桶川アパート 年間収支イメージ 項目 割合 家賃収入 100% ローン返済 ▲60% 空室損 ▲10% 経費(修繕・仲介など) ▲30% 年間合計:±0(実際は若干マイナス)

正直、前年はトントン〜若干マイナスでした。原状回復工事・客付け費用(AD1.5か月+事務手数料)・不動産取得税などが重なり、年間収支はほぼゼロです。

次に所沢アパートの収支です。こちらはまだ購入3か月ほどなので、年間ベースの数字ではありません。

📊 所沢アパート 3か月収支イメージ 項目 割合 家賃収入 100% ローン返済 ▲55% 空室損 ▲15% 経費(客付けなど) ▲18% 3か月合計:+12%(今のところ大きな出費なし)

所沢は大きな出費がなければ、3か月間はプラスで推移しています。とはいえ年間で見ると修繕費・退去対応などが発生するため、まだ油断はできません。

返済比率60%超えでも2〜3部屋退去が重ならなければ年間トントンは維持できます。ただし余裕はありません。

空室損が収支を圧迫する背景には、全国的な空き家の増加傾向があります。特に木造アパートは築年数が上がるほど空室リスクが高まりやすいため、余裕のあるキャッシュフロー設計が大切です。

📊 全国の空き家率の推移(総務省 住宅・土地統計調査) 16% 14% 12% 10% 9.8% 1993年 11.5% 1998年 12.2% 2003年 13.1% 2008年 13.5% 2013年 13.6% 2018年 空き家数は2018年時点で約849万戸(過去最多)

返済比率が高いことのメリットとデメリット

返済比率が高い=悪いことばかりではありません。借入条件によっては、明確なメリットもあります。

⚖️ 返済比率が高いことのメリット・デメリット ✅ メリット ・融資期間が短い → 元金返済が速い ・金利が低い → 利息の無駄払いが少ない ・資産化(純資産増加)が早く進む ・返済完了後のキャッシュフローが大きい ・長期で見た総支払利息が少ない ⚠️ デメリット ・毎月の手取り(CF)が少ない ・空室・修繕が重なるとすぐ赤字に ・精神的な余裕が生まれにくい ・次の融資審査に影響することも ・緊急の出費に対応しにくい

私の桶川アパートで言えば、融資期間15年・金利1.16%という条件のおかげで、年間約210万円もの元金を返済しています。

つまり毎月の手取りは少なくても、純資産(資産−負債)は確実に増え続けているわけです。15年後に返済が終われば、その家賃がほぼそのまま手元に残る状態になります。

💡 元金返済スピードで見ると…… 桶川アパート:年間約210万円の元金を返済中 → 15年後、ローン完済で純資産が一気に拡大する

この「元金返済スピード」の差は、融資期間が変わると劇的に変わります。同じ2,000万円を借りても、条件次第で総利息がこれだけ違います。

💴 借入2,000万円 融資期間別・総利息の比較(試算) 融資条件 月返済額 総利息 私の物件との比較 15年・1.16% 約121,000円 約 180万円 ← 桶川アパート 23年・2.60% 約96,000円 約 657万円 ← 所沢アパート 30年・4.50% 約101,000円 約1,740万円 問題スキームの例 ※借入2,000万円・元利均等返済での試算。実際の条件は金融機関にご確認ください。

これが某問題スキームのように「利回り7〜8%・金利4.5%・融資期間30〜35年」という借り方だと、返済の大半が金利支払いに消えてしまいます。元金がなかなか減らず、キャッシュフローも残らない——まさに最悪の組み合わせです。

返済比率の適正ラインは人によって違う

「40〜50%が理想」というのは確かにそのとおりです。でもそれはあくまで目安であって、唯一の正解ではありません。

適正な返済比率は、その人の投資ステージ・他物件の収支・手元の現金量・リスク許容度によって変わります。

🎯 投資ステージ別の考え方 【初期〜中期】 返済比率を 40〜50%に抑え CFを残しながら 安全に運営する 【複数物件保有時】 他物件のCFで 補填できるなら あえて短期ローンで 資産化を加速させる 【規模拡大期】 総CFが十分なら 個別物件の 返済比率より 全体最適を優先

実際に投資をしている人たちの返済比率はどれくらいなのか、調査データでも確認してみましょう。

📊 不動産投資家の返済比率 分布イメージ(健美家調査参考) 40% 未満 22% 40〜50% 31% 50〜60% 28% 60% 以上 19% invisible ← 私の物件はここ (約2割の投資家が同水準) ※健美家「不動産投資家調査」を参考に作成したイメージグラフです

大切なのは「返済比率40%以下じゃないと投資できない」と思い込まず、自分の状況に合わせたリスク管理をすることだと思っています。

ただし、現時点で私が思うのは「もう少し余裕のある返済比率で買えていたら、精神的にラクだったな」ということも事実です。高い返済比率は数字上では説明できても、月々のハラハラ感は正直キツいです。

返済比率を下げる3つの方法

「じゃあ返済比率を下げたければどうすれば?」という話をしておきます。

📉 返済比率を下げる3つのアプローチ 安く・高利回りで買う(物件選定の段階で勝負が決まる) 自己資金を多く入れて借入額を減らす 低金利・長期融資で月々の返済額を抑える

特に①の「高利回り・安値購入」は、金利水準との組み合わせで収益性が大きく変わります。金融機関によって投資用ローンの金利帯はかなり幅があります。

🏦 投資用不動産ローン 金利帯の目安(2024年) 融資元 金利の目安 特徴 地方銀行・信用金庫 1.0〜2.5% 属性・物件次第で変動 都市銀行・メガバンク 1.5〜3.0% 審査厳しめ・長期可 ノンバンク系 3.0〜5.0% 通過しやすいが高金利 ※各金融機関の公式サイトおよび投資家向け情報を参考に作成。条件により異なります。

どれも簡単ではありません。特に③の「低金利・長期融資」はそれだけキャッシュフローが残る一方で、元金返済が遅くなるというトレードオフがあります。

結局のところ、返済比率に正解はなく、自分の目標と状況に合わせて判断するしかない——というのが私の実感です。

まとめ——数字の裏にある「借入条件の中身」を見よう

返済比率は不動産投資のリスク管理に欠かせない指標ですが、その数字だけで投資の良し悪しは判断できません。

金利・融資期間・手元の現金・他物件との組み合わせ——そういった全体像の中で、初めて返済比率の意味が見えてきます。

📌 この記事のまとめ 返済比率の目安は40〜50% ——ただし絶対的な基準ではない 高くても金利・期間が良ければ資産化は速い ——元金返済スピードで判断 返済比率を下げるには物件選定・自己資金・融資条件が鍵 ※投資・融資に関する判断はご自身の責任において行い、詳細は専門家にご相談ください。

私自身、まだまだ理想的な返済比率とは言えません。でも、少しずつ元金が減り、純資産が積み上がっているのは事実です。

これから不動産投資を検討している方は、ぜひ「返済比率の数字」と「その中身(金利・期間)」の両方を見るクセをつけてみてください。そこから見えてくるものが変わってきますよ。

参考になれば嬉しいです。