
米国株の配当金って、結局いくらもらえるのか。
2020年当時、私は米国株とETFの6銘柄に合計20,686.6ドルを投資していました。
2020年9月13日時点までの直近1年間で受け取った配当・分配金は、税引前869.40ドル、税引後625.96ドル。投資額に対する実績利回りにすると、税引前で約4.20%、税引後で約3.03%でした。
📌 これは2020年当時の投資実績の記録です
保有銘柄・配当利回り・受取配当金は、すべて2020年9月13日時点までの実績です。現在の利回りや株価には更新していません。当時の記録として読んでください。
約2.07万ドルを米国株・ETF6銘柄で運用していました
どれくらいの規模の話をしているのか、先に出しておきます。
2020年当時、米国株とETFに入れていたのは合計20,686.6ドル。当時のレートは1ドル105円くらいだったので、日本円なら217万円ほどになります。
数千万円を動かした話ではありません。会社員が数年かけて積み上げれば届く金額です。
1億円を運用した話より、200万円台の実績のほうが自分に置き換えやすいはずです。
個別株とETFを半分ずつにした理由
内訳は、高配当の個別株が3銘柄とETFが3銘柄です。
ETFというのは、たくさんの銘柄をまとめてパッケージにした商品のことです。1つ買えば数十から数百社に分散できる、というイメージで大丈夫だと思います。
なぜ半々にしたのか。
- 個別株は利回りが高い。ただ、その1社が減配したときのダメージがそのまま来る
- ETFは利回りが低め。そのかわり1社が不調でも配当が一気には消えない
- 両方持てば、利回りと安定性の真ん中あたりに着地するはずだ
というのが理由でした。
2020年当時に保有していた6銘柄
持っていたのは、この6銘柄です。
ティッカーというのは銘柄を識別するアルファベットの記号で、日本株でいう証券コードにあたるものです。注文するときはこれを使います。
個別株3銘柄は景気に左右されにくいものへ寄せた
たばこ2社と通信1社。
派手さは、まったくありません。
値上がりを狙って買った銘柄ではないんです。不況になったからといって、たばこを吸う人が急にやめるわけじゃない。スマホの契約を全員が解約するわけでもない。こういう業種をディフェンシブ銘柄と呼びます。
ただ、これは裏返すとこういうことでもあります。
- 大きな成長は見込みにくい。だから株価が伸びにくい
- 株価が伸びない、あるいは下がると、利回りだけが高く見える
- 高利回りは、人気がないことの裏返しでもある
当時の私は、ここが分かっていませんでした。利回りが高ければお得だ、としか思っていなかった。
ETF3銘柄で分散を効かせる
残り3つは、すべてバンガード社のETFです。
個別株と同じく生活に近い分野を選びながら、1社に依存しない形にしたかった。その結果がこの3本です。
配当利回りは7%台と1〜3%台に割れた
2020年9月13日時点の配当・分配金利回りです。
個別株が7%台、ETFが1〜3%台となっています。この差が、受取額にそのまま効いてきます。
1年間の配当金は税引前869.40ドル・税引後625.96ドル
本題です。
この6銘柄で、2020年9月13日時点までの直近1年間に受け取った配当・分配金の合計はこうなりました。
税引前869.40ドル、税引後625.96ドル。差額の243.44ドルが税金として引かれた分です。
税引前配当の約28%が税金として差し引かれた計算です。
月あたりに直すと、どれくらいか
年額のままだと感覚がつかみにくいので、12で割ってみます。
月あたり52ドル、円で5,500円前後。スマホ代がだいたい浮くくらいです。
思ったより少ないな。
最初に集計したときの正直な感想です。ただ、この金額だけを見ても判断はできないんですよね。217万円入れて年6.6万円なのか、20万円入れて6.6万円なのかで、話がまるで違うので。
というわけで、投資額で割ります。
実績ベースの配当利回りは税引前4.20%・税引後3.03%
受取額を投資総額で割ると、この1年の実績利回りが出ます。
税引前で約4.20%、税引後で約3.03%。実際に投じた金額に対して返ってきた割合です。
表示されている利回りと、実績の利回りは合わない
さきほどの6銘柄の利回りを単純平均すると、約5.0%になります。でも実績は4.20%。0.8ポイント足りない。
計算ミスではなく、理由があります。
- 投資額の配分が均等ではない。利回りの低いETFに多く入れていれば、全体は下がります
- 購入時期が銘柄ごとに違う。年の途中で買った分は、1年分をまるまる受け取れていない
- そもそも表示利回りはその時点の数字にすぎない。株価が動けば表示も動く
銘柄ページに出ている利回りをそのまま掛け算しても、実際の受取額にはなりません。
私は最初、単純に掛け算して年間これくらい入るはずだと皮算用していました。で、実際の入金額を見てズレに気づいた。
どちらが正しいという話ではありません。予想の利回りは、これから買う銘柄を比べるときの目安になります。実績の利回りは、自分の運用が実際にどうだったかを確かめるための数字です。役割が違うので、片方だけ見ていると判断を誤ります。
米国株の配当にかかる税金は二重課税になる
配当の28%が税金に消えていました。
理由は単純で、米国と日本の両方で引かれるからです。二重課税といいます。
手元に届くまでに、税金は2回かかる
配当を100ドルとして追ってみます。
日本国内の株式なら、配当にかかるのは20.315%です。内訳は所得税および復興特別所得税15.315%+住民税5%。申告分離課税を選んだ場合の税率として、国税庁が示しています。
米国株の場合、この20.315%が米国で10%引かれたあとの金額にかかります。だから合計で28%を超える。
私の実績で確かめると、869.40ドルに対して引かれたのが243.44ドル。割合にして28.0%で、理論値の28.28%とほぼ一致していました。
外国税額控除は、使える場合がある制度
この二重課税については、外国税額控除という制度があります。
ここは古い情報が残りやすいところなので、正確に書きます。
- 外国で課された税金は、一定の要件を満たせば日本の所得税から差し引ける場合があります
- ただし控除限度額があり、払った外国税が必ず全額戻るわけではない
- 適用には確定申告が必要で、「外国税額控除に関する明細書」などを添付します
- NISA口座で受け取った配当は対象外。国内で非課税なので二重課税にならず、控除も使えない。米国の10%は引かれます
要件や計算方法は国税庁のページにまとまっています。税制は変わることがあるので、手続きの前に最新の内容を確認して、迷うところは税理士などの専門家に相談したほうが確実です。
税金の仕組みが分かってくると、利回り何%という表示をそのまま受け取れなくなります。
配当投資で注意しておきたいこと
ここまで数字を並べてきましたが、配当投資はおいしい、で終わらせると危ない。
高い利回りは安全の証明ではない
配当は業績に応じて出すものなので、減ることも止まることもあります。減配、無配といいます。
私が持っていたAT&Tは、2022年2月に配当の減額を発表しています。WarnerMediaの分離にともなうもので、年間配当は1株あたり2.08ドルから1.11ドルになりました。
7.19%という利回りは、その後も続いたわけではないのです。
利回りが高く見えるときこそ、理由を見る
もうひとつ、当時の私が理解しきれていなかったのが計算式です。
配当利回りは、1株あたりの年間配当を株価で割って出します。ということは、配当が据え置きでも、株価が下がれば利回りは勝手に上がる。
この例だと5.0%が8.0%になっています。数字だけ見れば魅力的ですが、実際に起きているのは株価の下落です。
利回りの高い銘柄を見つけたら、それが増配の結果なのか、株価下落の結果なのかを確かめる。ここを見るかどうかで、その後がだいぶ変わります。
円で暮らしている以上、為替からは逃げられない
配当はすべて米ドルで受け取っています。でも、生活しているのは日本です。
ドルで同じ額を受け取っても、円にしたときの価値は為替で変わります。
- 円安に振れれば、同じ配当でも円換算では増える
- 円高に振れれば、同じ配当でも減ります
- 買うときも同じで、円高のときに買えば、同じ円でより多くの株を持てる
さきほど年間6.6万円ほどと換算しましたが、あれは1ドル105円での参考値です。為替が動けば、この数字も動く。
実績は、将来を約束しない
これがいちばん大事です。
ここに書いたのは2020年時点の1年間の結果です。同じ6銘柄を同じ額で買えば同じ配当が入る、という話ではありません。
4つ目は見落としがちです。配当を6.6万円もらっても、株価が10万円下がっていれば資産は減っている。配当と株価は切り離せません。
約2万ドルを1年運用して、年6.6万円でした
要点をもう一度並べます。
税引後で3.03%。
私は悪くない、でも思っていたほど楽な話でもないと見ています。年6.6万円のために217万円を動かして、価格変動と為替と減配を引き受けている。その対価としての3%なので。
まず、自分の金額に置き換えてみてください
投資できる金額に、今回の税引後の実績利回り3.03%を掛けるとこうなります。
この金額を見て少ないと感じるなら、配当は資産形成の主軸ではなく、一部として組み込むほうが現実的です。
今回の実績では、約217万円を運用して、1年間に受け取った配当・分配金が税引前869.40ドル、税引後625.96ドル。1ドル105円で換算すると、税引前で約9.1万円、税引後で約6.6万円でした。
税引後の実績利回りは3.03%。ただし、配当だけでなく株価の変動や減配、為替まで含めて考える必要があります。
配当利回りが何%かではなく、実際にいくら投資して、手元にいくら残ったのか。米国株の配当を考えるときは、そこを見てもらえたらと思います。
是非参考になれば嬉しいです!
